香箱について。

diary5


京都二条 ONO*Space店主・コラージュ作家 おのみちこのブログ


リネン・コットン・古裂などのファブリックや、染め和紙、ビーズ、刺繍糸など 様々な素材を
貼り合わせた技法 ”コラージュ” の制作を始めて、早6年になろうとしています。
コラージュについては一度こちらのブログでお話したので、
今日はそんなコラージュの小箱   ”香箱”  についてお話したいと思います。


今月からの展覧会では、コラージュ作品と一緒に、香箱をお披露目します。

 

koubako

香箱(こうばこ)は、京都のアトリエONO*をOPENする時に生まれた 1点ものの作品 兼  製品。
扱う素材の質感や立体的な膨らみ、温かい風合いで、”側に置いて癒される存在”になってくれると嬉しい…と思いながら、1つ1つ貼り合わているコラージュを施した、”使う作品”です。

香箱dm
香箱 DM

 初めて香箱をお披露目した時の、アトリエオープニング個展のDM。
この頃は、その後も香箱をこんなに沢山作る事になるとは思っていませんでした。

野乃花 香箱
野乃花 香箱


オープニングに初めてお披露目させていただいた香箱は お陰様でお嫁に行き、
昨年春に 2回目の香箱展「野乃花香箱」を開催させていただきました。

ただただ 香箱の魅力を共感して下さった方が多い事に感動しています☆

 

 


 

koubako
koubako

 

 ふっくらと膨らんだ蓋に、染め和紙・ビーズ・刺繍糸などで季節の草花が貼り合わせてある小箱を開けると、小さな絹シャセの中からほのかな香木の香りがします。
この香りは、京都のお香。御所西にあるお香屋さんより匂い袋に入れる香木を買わせて頂いています。
コラージュと一緒に京都の香りを楽しめる、そして小箱の中に入れた道具や宝物に香りが移り、ほっと笑顔がこぼれる…そんなことを想像しながら この小箱を作り始めました。


香箱が出来上がるまでの過程は、少々時間が必要。

香箱

1点ものの箱を作られる箱屋さんへ 手持ちの布や手漉き和紙を厳選してお送りし、大きさや仕様を細々と相談しながら、1つ1つ手作業で作って頂いています。
色とりどりの小箱が届いた時は、嬉しくて心躍る感触☆
出来上がった箱の蓋に、小箱の雰囲気に合わせた色デザインをコラージュしていきます。

香箱

コラージュ作品を制作する手順と同じように、下絵を合わせ、
部品をカットして1つ1つ貼り合わせていきます。

香箱

和紙や布、糸やビーズ・・・それぞれの魅力が小箱を引き立ててくれるように。

香箱

『桜』をテーマにした今回の展覧会。 香箱も桜モチーフを沢山作ります🌸

 

香箱

小箱に貼られた素材の雰囲気で、仕上がりが様々に変わるなところが難しくもあり、とても楽しい🎶
今回は小紋様の着物生地の小箱にもチャレンジ。
桜の模様は 和の小柄模様にもとても相性が良いようです。

香箱紗や縮緬の古裂の小箱。
霞や蔦などの、織り・染め模様は コラージュにさり気ないニュアンスがプラスされ、
モチーフの花に 何となく背景やストーリーを感じさる仕上がりにしてくれました。

 


 

 

香木匂い袋用の香は、白檀や丁字、桂皮、龍脳などの天然香原料を細かく刻み、調合したもの。
鎮静効果もある天然の香木を、昔ながらの手漉きの和紙に包み、手作りの着物生地シャセの中に入れています。
香は約半年保ち、足りなくなったら差し替えてお楽しみいただけます。


 

 香箱

香箱は リネンやコットン、着物の生地を仕様した貼り箱の上に、糊とボンドを使って様々な素材パーツを定着しているので、擦れたりひっぱったりすると部品が取れるおそれがあります。また、厚紙で作られた箱の身の部分などは、長く使っていると劣化したり色褪せたりしてきます。
初めてのお披露目の際にお持ち帰り頂いた方のお箱も そろそろ そんな事が気になって来る時期ではないでしょうか…

この春の個展では、香箱のメンテナンスも受け付けさせていただこうと思っています。「花の蕊が取れちゃった」「箱の身が汚れて気になる…」などなど。もしも香箱を見て気になることがありましたら 是非お持ち下さい。ご相談しつつ、新しく蘇らせていけたら と思います。

 

 


 

 

会期までいよいよあと2週間。今日もご案内状をしたためつつ、香箱の制作です。
手が遅い私なので、沢山の数は出来ませんが、少しでも皆さんに楽しんでいただけるように…
精一杯心をこめて🌸