夏休みの過ごし方。金沢満喫旅行

京都二条 ONO*Space店主・コラージュ作家 おのみちこのブログ

 先週末 同級生で紬織り作家 足立真実さんを訪ねて金沢へ行ってきました。

21Century Museum of Contmporary Art, Kanazawa ‘18.8.5-6


毎日38℃超えが続くの京都での日々。この半月は制作もあまり捗らない状態でしたが、
少しは涼しいという金沢行きにワクワクしていました。

足立さんは ONO*Atelier&SpaceをOPENした時、Space1,2F 全館で
自己個展を開催して下さった大切な恩人でもあります。
京都にアトリエを持ち、京都と奈良の造形大の講師をしながら創作活動をしていた彼女は、
昨年より金沢美術工芸大学の講師に転身 今は金沢に在住されています。

私にとって「金沢」は、義兄の故郷という事もあり、20年ほど前に義父の案内で家族旅行を
したのですが、不運にも持病の発作が出てしまい、終日ホテルのベッドで寝込んでいた…;;
という、全く良い思い出のないワード。

真実ちゃんから「遊びにきてね^^」と言ってもらった時は、
「是非リベンジしたいゾ☆」と思っていましたが、
早々にこの夏 同じ同級生から誘いを受けて  1泊2日の小旅行となりました。

 
金沢に着いてまず行ったのが21世紀美術館。

Cafe Fusion 21


一緒に行った友達が1番に行きたかった所でしたが 私自身もテンション上がりっぱなし。
2つの展覧会を観賞しました。


 
『起点としての80年代』展

80年代は受験〜美大生ど真ん中の時代。
その頃に観尽くしたアートは「これが秀作なんだ ステイタスなんだ…」と、
吸収しようという気持ちだけで目に焼き付けていたっけ。
時代も変わり 様々変化して行き、いつしか忘れていた空気感。
そんな80年代アートを懐古出来たひと時でした。
あの頃に観た感覚とは全く違う客観的な視点で。
その頃の流行をインスパイアした その場しのぎの作品は 何だか気恥ずかしい感じですが、
流行を生み出した元作品は 今見ても洗練されていて素敵でした。
日比野克彦  舟越桂   横尾忠則 氏などの作品を直に鑑賞出来て感激。

 

 

『アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意』展

インドネシアで活躍しているアーティストの日本初個展。
ココロの中の  何とも言えない 纏まりきれない  揺れ動く感情や思考 狂気・情緒・不安・愛。

色彩のセンスと ほとばしるような絵の具のマチエルがとても魅力的で
そのままファブリック化しても美しい製品になりそうだと感じました。

ただ単に”キレい” ”かわいい” ”癒される” というだけのモノなら
画力があれば誰でも描ける。そこに”人柄”が醸し出されている事のみが魅力として現れる。
でも、癒しとはほど遠いモノ。例えば、晒す事の難しい内なる感情・人の愚かさを表現していつつ、
どんな観る人にも美や癒し・心地よさを与える作品を生み出せる人は真の芸術家だと思う。

そんな事が出来る人になれるには 私の場合、まだまだ修行時間が必要。
もしかしたら 今の人生で到達するのは難しいかもしれない。
だからこそ、芸術家という人には 尊敬と興味の気持ちが湧き出て来る。

 


能楽迎賓館から  しいのき迎賓館で『久保修  切り絵の世界』展を観賞した後、
美術館へ向かう道で、外観に惹かれていたギャラリーを立ち寄りました。


factory zomer gallery

ガラス作家 現代美術家 辻 和美さんの作品と、月ごとの企画展が開催。
.
この日は『編んだモノ』展開催中でした。
アジア、アフリカの籠・トレー・敷物などの布地が展示。
私はイグサで編まれたワインバッグを購入☆
旅中は日傘とペットボトル・タオルハンカチを入れて持ち歩きました。

 


金沢県立美術館を観賞した後、茶道の世界を堪能しようと
中村記念美術館へ。

美術館へ行くまでの道は緑豊かな本田公園。

木漏れ日と水の流れる音で癒される森林浴空間。涼しくて まるで避暑地のよう。

中村記念美術館で茶釜と香炉を堪能した後は

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D.T.Suzuki Museum ’18.8.5-6

鈴木大拙記念館へ。

金沢が生んだ仏教哲学者 鈴木大拙氏の記念館は
佇まいがすばらしいと定評があるとのことで 急遽入館することに。

 

D.T.Suzuki Museum ’18.8.5-6

2011年開館したという時代性も合い待った建築デザイン。
金沢の地に佇む谷口吉生氏設計の 洗練された建物と空間に
書や写真・著作が貯蔵展示されていました。

D.T.Suzuki Museum ’18.8.5-6


無駄のない 無機質なしつらいと空間。
水に映った波紋と木々の木漏れ日。
無を説いた思想とシナジーを起こし、目から心に響いて来ました。

 

 


 

金沢での夜。

夕食は真実ちゃんが予約してくれていた海鮮居酒屋で。
新鮮な海の幸と山口産野菜と治部煮。

 

帰りに長町周辺をぶらり。 こじんまりとした横町がたくさんあり良い感じ。

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ホントなら「2件目」と、良いお酒を味わうところなのですが
私が飲めないのでm(_ _)m 散策のみ。
昭和レトロな飲屋街は 何処も若いお客さんで賑わっていました。

  


アトリエ兼お住まい訪問 in 金沢

真実ちゃんのアトリエ兼お家は 市内 高台の住宅街にある一軒家。
ゆっくりと1泊させていただいた翌朝は 2階の制作部屋を見せていただきました。

京都では 高野川沿いのご自宅近くの日本家屋を借りて制作していた彼女。
織り機も含め、沢山の画材や資料が必要なしごとなので
知らない土地への移転と生活のスタートは きっときっと大変だったと思います。
でも そんなことの愚痴は一言も言わずに 新しい場所での様々な意欲が伝わって来て
とてもパワーをもらいました。

京都とはまた違う 新鮮味も感じる伝統工芸を熟している土地なので、
環境が変わっても心意気変わらず、新しい体験や出会いを沢山育んで
また新しい作品を生み出されることでしょう。
これからの活躍がますます 楽しみです。

 


 


「金沢」という名前の由来となった 金箔を洗う場所「金洗いの澤」だったという金澤神社を参拝。

海鮮市場でお昼ご飯を食べた後 帰り電車までの間少し時間があったので 今は料亭街となった
ひがし茶屋街へ。昔の趣きがそのまま残された雅な花街を散策して情緒を味わいました。

歩いて廻れる距離のこじんまりした街なので2日あれば随分満喫できる・
古き良きを大切にする周辺の雰囲気・自然が豊富なところ。
伝統工芸を重々しくなく、さりげなく堪能できるところがとても心地よく、
金沢大好きになりました。 
リベンジも出来たし☆ 満足の2日間。
制作の合間の良いリセット&充電が出来ました^0^。