夏休みの過ごし方Ⅲ 〜レトロな東京Days〜

diary5
いよいよ秋の個展直近 というこの時期に、 なーんと東京へ行ってきました。
 
目的は、秋深まった頃からONO*で個展を開催してくださるステンドグラス作家 岩田けいこさんにお会いする事と、お仕事先への訪問がメイン。そして+αで、久々の東京を数日楽しもうと思っていました。

 

滞在先 ホテルラウンジにて

 

東京へ行くのは5年ぶり。それも前回は青山での個展開催の為に上京したので、滞在期間はほとんどギャラリーに常駐。街を楽しむ時間や気持ちはほとんどなく帰宅したようなものでした。
 その後は 京都への引越し・ONO*のオープンと、新しい身の回りを整える事に集中した5年を過ごし、動きたいけど動けず‥ にいたところ、この度  岩田さんとの出会いにより タイミング良く
思い切って上京する良いきっかけを与えてもらえました。
 
 
そんな久々の嬉しい外出にもかかわらず 先月末から熱風邪をひいて寝込んでしまい、直前まで行けるかどうか微妙な状態に。。。友人への連絡や約束もせず なんの段取りも組まずに行き当たりばったりでの病み上がり出発となりました。
 
 


今回 滞在に選んだ場所は根津。
たまたま程よい内容で取れたホテルが根津駅すぐ近くという立地良く、以前からじっくりと散策してみたいと思っていた 谷中千駄木根津界隈です。

 

根津 六龍銭湯
ホテルのすぐ側に温泉銭湯があり、風邪の治った2日目からは毎晩お世話になりました。
「六龍鉱泉」は昭和レトロな建物の黒湯の温泉銭湯。
建物や内装 何もかも昔のまんま。本当に心地よかった〜・・・♨️。
 
岩田さんと銀座で待ち合わせランチをした後、彼女をご紹介くださった
会社勤務時代の同僚と3人で三越上階のフリースペースで楽しく笑談。
谷中
谷中ぎんざ 夕やけだんだん

 

銀座から3人で日暮里駅へ移動し、谷中銀座をぶらり歩き。
”昭和”の風情たっぷりの情緒ある商店街。たい焼き屋、総菜屋、果物屋、豆腐屋などなど。
とっぷりと日が暮れるまで歩いて初日を終えました。

 



 
少し風邪も楽になってきたので そんな事をSNSに書き込んだら、「会いましょう🎶」という連絡をいただいたり、ちょうど会いたいと思っていた方から たまたまメールが来たりで、滞在中はあっという間に充実した東京Daysとなりました。
 
夢二美術館.jpg
竹久夢二美術館
根津にある 竹久夢二美術館へ。 
企画展『ロマン都市・東京』。生前夢二が住んだ東京の各地での仕事やスケッチが展示されていて
彼の 時代を超えたセンスと多才ぶりに魅了。
夢二がファッション誌や、三越、千疋屋のパッケージデザインを手がけていた頃、
東京は和装から洋装へと変わる間の、なんともその時代ならではの魅力があふれていました。
それと相まって ロマンティックでドラマティックな彼の生き方がそのまま仕事に表現されていて、夢二のイメージが確立されてるんだなと感じました。

 

 
根津 弥生美術館

隣接した お隣の弥生美術館。

 

原田治 展

今の時期は「オサムグッズ」で有名な「原田治」展が開催されていました。

私も”OSAMU GOODS” はタイムリーな世代。中学生時代はミスタードーナツのスタンプを集めてもらえるマグカップやお弁当箱が大変流行ったものです。 その後もファンシーショップや雑貨屋さん、今のONO*Spaceが文房具屋さんだった頃の店内にも、常にオサムグッズのノートや鉛筆・定規などを目にする事が出来たので、「少しセンスの良いキャラクターグッズ」くらいの、特別ではない存在という認識でした。

 

(今更  展覧会で見るのも‥)と、少し躊躇しましたが、入館したら・・・
テンションは終始上がりまくり(笑)。

 
なんとなく目に触れていた可愛いキャラクターグッズは、アメリカンオマージュをしっかりと持った、一人の男性イラストレーターのコンセプトによって作り出された 洗練された拘りの日常品ばかりでした。
子供の頃に何気に手にしていた雑貨たち。あの頃はに気づけなかった製品作りへの拘りが、その懐かしい物から伝わってきます。
戦後生まれの治氏。東京にはちょうどアメリカの食品や雑貨が多く輸入され、ハイセンスな物大好きな若者に愛された存在だった様です。
osam goodsには そのパッケージの色合いやデザインがリスペクトされ、ワクワクとした異国への思いが伝わってきます。(手にした私たちが、本当にアメリカへ行ったような気分になれたから魅力的だったんだなぁ。この治氏のイラストから影響された私世代のクリエーターはどれほど多く居るだろう)そんな事を考えていました。
 
 



夢二の「千疋屋」のパッケージを見ているうちに「サンドイッチが食べたいね」という話になり、速攻銀座へ移動。
「千疋屋」と言えば 私は漫画「サザエさん」にて、いつも特別な日のご贈答メロンが千疋屋だったのを思い出します。きっと素敵なフルーツパーラーなんだろう‥と憧れて、東京に住んでいた時は仕事の帰りに立ち寄ったものです。
季節ごとに替わる 栗・ぶどう・桃などのパフェは本当に美味。

 

銀座 千疋屋

 

今日は、ハムと季節のフルーツ、イチジクのサントイッチ。

 

銀座 千疋屋
銀座 千疋屋

デザートには開業当時からのメニュー「フルーツポンチ」を(初めて食べましたフルーツポンチ♡。)東京で働いていた20代の頃の思い出話に花咲かせながら、夢二の時代にも華やかだった銀座の街並みを眺める‥ ますますレトロ東京を満喫。


 

 
もう1つ行った展覧会は Bunkamuraミュージアムで開催されていた「ピーターラビット」展。

 

原画展は初めてではないですが、との年齢ごとに印象が違って見えるのが作品の面白いところです。
ポターさんの生き方、その風景や周囲の人々。
ピーターラビットが愛される理由と、湖水地方の美しさを感じたひと時でした。

 

LES DEUX MAGOTS PARIS


Bunkamuraのドゥ・マゴ・パリ。
渋谷も久しぶりで(すっかり変わっているのか?)と心配しましたが、行き慣れた場所はやはりほっとします。この後は表参道まで足を伸ばし、ギャラリー巡りをした1日となりました。

 



今回の東京で出会った 竹久夢二・原田治・ビクトリアス・ポター。
どの作家も、その人の生きた時代背景だからこそ、育った環境に影響されたからこそ、出会った人々によって導かれたからこそ、素晴らしい作品や製品を生み出しているのだな と、しみじみ思いました。自分らしく・自然に・素直に・意欲的に。

 

 

東京駅
Tokyo Station


京都を拠点に生きるようになって3年半。ようやく スペースを数日離れることをして、客観的に自分の今の生活を見つめる事も出来る。渦中にいると見えない事もある。
東京は、何もわかっていなかった若き15年間に過ごした 私にとって家路のような存在。
時々はまたここに来てみて、気持ちを落ち着かせてみるのもいいな と思いました。

 
 ・・・と、現実逃避できて まだまだ  旅を続けたい気分だけど そろそろ現実へもどらなければ。
嗚呼 戻ったらまた目の回る様な忙しい毎日が待ってます〜😓